令和3年社労士試験合格基準点(科目別及び総合得点)予想【選択式】

社労士M

今回は、TAC社労士講座の「本試験分析」を参考にして、令和3年(2021年)社労士試験選択式の合格基準点(科目別及び総合得点)を予想します。

 

補正(救済)科目予想

まずは、選択式試験の合格基準点補正(救済)科目を予想します。

 

労一の2点補正はほぼ確実

TAC社労士講座の分析資料によると、データリサーチに登録した受験生の「労一」平均点は1.9点となっています。

データが残っている平成20年以降、TACの解答分析で平均点が2.5点以下、かつ2点以下の割合が50%以上の科目は、確実に2点補正(救済)されています。

TAC解答分析平均点2.5点以下の科目の状況

 

今回のTAC分析資料によれば、労一2点以下の割合は73.7%となっており、前述した2点に補正される条件は満たしています。

よって労一の2点補正は、ほぼ確実でしょう。

労一は1点に補正されるのか?

平成20年以降、TACの解答分析で平均点が2点未満であった科目は次の3科目です。

試験年度 科目 TAC平均点 TAC2点以下の割合 引下基準点
2013 社一 1.9点 72.1% 1点
2013 労災 1.9点 76.6% 2点
2015 労一 1.9点 74.5% 2点

上の表を見て頂きますと分かるように、平均点が2点未満であっても、引下基準点が1点になったケースは1度しかありません。

そのため、今回の労一は2点補正される可能性は間違いないといえますが、1点補正される可能性が高いとはいえないのです。

ただし、TAC平均点が2点以上で、かつTAC2点以下の割合が70%未満であった平成20年(2008年)の健保と、平成21年の国年が1点補正されているので、今回の労一が1点補正されないとも言い切れず、後は受験生全体の得点次第となりそうです。

労一の1点補正は、TACデータリサーチに登録された受験生と、受験生全体の得点分布に大きな乖離があれば、可能性は十分にあるでしょう。

 

社一・国年の2点補正の可能性はあるのか?

TAC社労士講座の分析資料によると、社一・国年の平均点と、1点以下の割合は以下のようになります。

社一 国年
平均点 3.4点 3.2点
1点以下の割合 5.3% 6.2%

社労士試験の試験水準(難易度)が上がり、追加補正がされなくなった平成27年(2015年)以降、基準点の引下げがおこなわれた科目で、TAC平均点が3点以上であったケースは次のとおりです。

 

表の科目のうち、TAC1点以下の割合が10%未満で補正されているのは3科目あります。データリサーチに登録した受験生と、全受験生との得点に大きな乖離があれば、本年度の社一・国年の2点補正される可能性はありそうです。

 

私の結論

私は、令和3年の社労士試験選択式で、補正されるのは次の科目と予想します。

【2点補正科目】

  • 労一
  • 国年

労一は、TAC2点以下の割合が73.7%となっていますが、「常識」として容易に解答できる受験生も一定数いるでしょうから、1点補正ではなく、あえて2点補正と予想します。

実際、平成20年以降に一般常識科目で、平均点がTAC2.5点以下(TAC2点以下の割合50%超)であったケースは5回ありましたが、そのうち1点補正されているのは、平成25年の社一のみです。

国年は、TAC2点以下の割合が25.8%と一見すると2点補正されないように思われますが、年金科目が苦手な受験生や、社労士試験の学習で、テキストの最後の科目となるため、国年の学習が満足にとりかかれなかった受験生も一定数いるでしょう。

さらに国年と社一の得点分布(下の表「TACデータリサーチ」)を比較すると、社一は4点を得点した登録者が最も多いのに対して、国年は3点を得点した登録者が最も多いことが分かります。その理由としては、社一は「常識」として得点することができますが、国年は学習知識を駆使しても4点以上得点することが難しかったと推測します。

社一 国年
0点 1.0 0.9
1点 4.3 5.3
2点 14.2 19.6
3点 31.3 35.1
4点 33.2 27.1
5点 16.0 12.0

データリサーチに登録するほとんどの受験生は、学習経験者や上級者であることから、初学者等が、今年の国年選択式を学習知識で解くことは尚更難しいはずです。

このような理由から、国年の得点分布は、全受験生を含めた場合、2点補正される水準まで低下するものと予想します。

 

選択式の合格基準点(総合得点)予想

社労士試験の試験水準(難易度)が上がり、追加補正がされなくなった平成27年(2015年)以降、TAC社労士講座データリサーチの総合得点平均点は、昨年までの6年間を平均すると28.1点です。

そして、今年のデータリサーチ総合得点平均点は28.0点ですから、令和3年社労士試験選択式の合格基準点は25点と予想します。

TACでは、過去の本試験平均点とデータリサーチ平均点の差で、合格基準点を23点と予想していますが、私の予想は昨年と同じく25点とします。

以上が私の選択式試験の予想でした。