令和4年社労士試験合格基準点(科目別及び総得点)予想

社労士M
今回は、TAC社労士講座の「本試験分析」を参考にして、令和4年(2022年)社労士試験の合格基準点(科目別及び総合得点)を予想します。

 

選択式合格基準点予想

まずは、選択式試験の合格基準点を予想します。

選択式科目基準点補正(救済)予想

今回、科目基準点の補正の可能性があるのは「社一」1科目のみと考えていますが、本試験で補正されることはないと予想します。

その理由について、以下に考察します。

平均点からの考察

TAC社労士講座の分析資料によると、データリサーチに登録した受験生の「社一」平均点は2.8点となっています。

選択式試験の科目別合格基準点の補正が厳格化された平成27年(2015年)以降、TACの解答分析で平均点が2.5点~2.9点であった科目は、以下の表のように7科目ありました。

※画像をクリックしますと拡大表示されます

該当した7科目中、補正されなかったのは3科目です。

補正されなかった3科目は、全受験生の平均点が2.2点以上であり、補正された4科目の平均点は1.8点~2.1点となっています。

今回の試験で、全受験生の社一平均点が2.1点以下であれば、補正される可能性はあるでしょう。

補正されるためには、全受験生の平均点が引き下がる要因が必要であり、私はその要因を「受験率」と考えています。

今年(令和4年)の受験申込者数は約52,000人で、昨年の50,433人(受験率は74.0%)を上回っています。

受験申込者数と同じく、受験率が昨年の74.0%を上回れば、初学者や記念受験の方によって、平均点が引き下がる可能性があるので、それにより社一が補正(救済)されるかもしれません。

ただし、受験率が昨年と同程度か、または下がった場合、社一が補正(救済)されるのは厳しいでしょう。

【追記 令和4年10月17日】
令和4年試験の受験申込者数は52,251人(受験率は77.8%)と発表されました。昨年よりも受験率が上昇したにも関わらず、基準点の補正がされなかったことは、受験生のレベルが向上したと考えられます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25424.html

得点分布からの考察

社一の得点分布(下の表「TACデータリサーチ」)を見ますと、社一は3点を得点した登録者が最も多いことが分かります。

得点 割合
0点 0.7%
1点 7.0%
2点 32.0%
3点 37.7%
4点 19.3%
5点 3.2%

先ほどの表を再度確認しましょう。

TAC1点の割合が1桁台で、補正されているのは平成29年(2017年)の健保(9.3%)だけです。

そこで平成29年の健保と、今年の社一を比較してみます。

科目 TAC1点以下 TAC2点以下
平成29年健保 9.3% 46.9%
令和4年社一 7.7% 39.7%

今年の社一は、平成29年健保の得点分布と比較すると、1点の割合では「-1.6%」下回っており、2点では「-7.2%」も下回っています。

この比較から考察すると、社一の基準点が2点に補正される可能性は極めて低いと言わざるを得ません。

選択式の合格基準点(総得点)予想

TACのデータリサーチでは、選択式平均点が30.3点となっており、前年の27.6点から2.7点も上昇しています。

この平均点は、平成24年の平均点30.2点と近く、その時の合格基準点の引き上げが参考になりそうです。

平成24年試験の合格基準点は、前年の平成23年試験の23点から3点引き上げられ、26点となりました。

TACのデータリサーチでは、社一以外の科目の平均点は3.4点~4.3点と高くなっているので、受験生全般が容易に解答できたものと考えられます。

そのため、選択式の合格基準点は少なくとも前年の24点から2点以上は上昇すると思われます。

 

択一式合格基準点予想

つづいて、択一式試験の合格基準点を予想します。

択一式科目基準点補正(救済)予想

下の表は、TACデータリサーチの記録が残っている平成19年(2007年)以降、択一式で合格基準点が補正された科目とその時の平均点(全体&TAC)です。

試験年度 補正科目 全体平均 TAC平均 全体とTACの平均点差
平成26年 常識 3.5点 4.9点 1.4点
平成28年 常識 3.5点 5.4点 1.9点
平成28年 厚年 3.8点 5.8点 2.0点
平成28年 国年 3.4点 4.8点 1.4点
平成29年 厚年 3.7点 6.1点 2.4点
平均 5.4点 1.8点

今回の試験では、2科目がTACデータリサーチの平均で6点未満となっています。(下の表を参照)

科目 平均
労災・徴収 5.4点
健保 5.5点

ところが、平成19年以降のTACデータリサーチで平均6点未満であっても、基準点が「補正されなかった科目」は25科目にものぼり、逆に平均6点未満で「補正された科目」は4科目しかなありません。

TACのデータリサーチで6点未満だった科目が、合格基準点が3点に補正される確率はわずか16%です。

このようなデータから推測すると、今回の試験で「労災・徴収」及び「健保」の基準点が補正されることは厳しいでしょう。

択一式の合格基準点(総得点)予想

TACのデータリサーチでは、択一式平均点が42.6点となっており、前年の44.4点から1.8点低下しています。

この平均点は、令和元年の平均点42.5点と近く、その時の合格基準点の引き下げが参考になりそうです。

令和元年試験の合格基準点は、前年の平成30年試験の45点から2点引き下げられ、43点となりました。

既にお伝えしたように、今年の試験での申込者数は約52,000人であり、令和元年の49,570人比べて2,000人超も多くなっています。

また、令和元年試験の受験率は約77.5%でしたので、今年の試験も同じ程度の受験率であった場合、合格基準点は令和元年と同じく2点引き下げらると考えています。

 

令和4年社労士試験合格基準点予想

令和4年社労士試験の合格基準点は以下のように予想します。

選択式補正科目 なし
選択式合格基準点(総得点) 26点
択一式補正科目 なし
択一式合格基準点(総得点) 43点